14.ポピュリズム台頭は、既存ルートを問う良い機会

しばしば見受ける言葉がある。
「ポピュリズム」だ。

今まで意味を調べたこともなければ、題名に「ポピュリズム」が入っている本を読んだこともなかった。
文中の説明および文脈で「ポピュリズム」の意を解釈してきた。

さて、京都市長選挙(2020年1月19日告示、2月2日投開票)において、れいわ新選組が一人の候補者を推薦すると知った。
(候補者は、既存政党の推薦も受けている)
いよいよ、れいわ新選組が地方の拠点都市での活動を始めたのかと小さなショックを受けた。

これを機に、ポピュリズムとは本来はどういう意味なのかを理解したいと思い幾つかのサイトを読んだ。

 

 

便利屋サイト→こちら

 

参考としたアドレスを記しておく。

 

1.
『ポピュリズムは、民主主義への脅威か?』
古賀光生 中央大学法学部准教授
ChuoOnline
20190425(?)
https://yab.yomiuri.co.jp/adv/chuo/opinion/20190425.html

2.
『「選挙で勝てばすべて決められる」と考えるポピュリズム 抑制するシステムはあるか』
古賀光生 中央大学法学部准教授
The Asahi Shinbun GLOBE+
2018.10.17
https://globe.asahi.com/article/11882947

3.
『『ポピュリズムとは何か』/水島治郎インタビュー』
水島治郎 千葉大学法政経学部教授
Web中央新書
2010201
http://www.chuko.co.jp/shinsho/portal/101818.html

4.
『ポピュリズム、それは危険な存在か、民主主義の促進剤か』
水島治郎 千葉大学法政経学部教授
The Asahi Shinbun GLOBE+
20180921
https://globe.asahi.com/article/11824476

5.
『だれが何をしたら「ポピュリズム」なのか その本質を深く考えてみる』
吉田徹 北海道大学教授
The Asahi Shinbun GLOBE+
20180906
(上)https://globe.asahi.com/article/11796342
(下)https://globe.asahi.com/article/11796444

 

以下は、これらのサイトを読んで理解したことと感想である。

なお、ポピュリズムはismであるからイデオロギー、ポピュリストはlistであるから人物や団体であると考えられるが、このブログでは何ごとかを実現するための手法と考える。

 

 

民衆の意をエスタブリッシュメントが活かす四つの方法

 

与党政治家と官僚と巨大財閥およびその制度をエスタブリッシュメントと名付け、その他を民衆と言うこととする。

民衆は自らの利益をエスタブリッシュメントに訴え実現するには、いくつかの方法がある。

ここでは、四つの方法に整理して記す。

 

1.
【政治家を通して】
民衆が選挙で政治家を選び、彼らを介在させ政策に反映させる方法。

2.
【所属機関を通して】
労働組合、町内会等地域活動、NGO、宗派、各種経済団体などの機関がエスタブリッシュメントに圧力をかける方法。

3.
【市民運動を通して】
デモなど民衆の自主的活動でエスタブリッシュメントに釘を刺す方法。

4.
【マスコミを通して】
権力の行為を監視/報道/論説することで、エスタブリッシュメントの力と行為を縛る方法。

 

これらの方法が十分に機能することによって、あるいは不完全な方法があったとしてもお互い補完することによって、自分の思いがエスタブリッシュに届いていることを実感できる。

 

ポピュリズムが台頭する環境

 

与党自民党が財界/農水産を含めた自営業者/公共事業関連業者の意を、野党社会党が労働者の意を、国会の場で調整し官僚との折衝で実現化に努めた55年体制下。
安全保障政策では反目しあう両陣営であったが、中小企業と経済的弱者への再配分政策については趣旨を共有してきた。

誰もが自分の利益を託す方法があり、エスタブリッシュメントへ民意を伝える作用が機能していた時代だった。
族議員の跋扈/金権政治/官僚支配と天下り/特別会計の不透明化というマイナスは指摘されるものの、高度経済成長とも重なり、中産階級を多く生みだすことに貢献したことは否定できないだろう。
(しかし、例えば公害問題解決までの道のりに顕著にみられるように利益相反する場合には、常に大企業優先政策を採った事実を消すことは出来ない)

民衆の思いを政治家と機関とマスコミが汲み上げエスタブリッシュメントに働きかける流れが実感できるならば、ポピュリズムが生まれる余地は少ない。
逆に言えば、この実感が失われた時こそがポピュリズムが台頭する絶好の機会である。

ポピュリズムが台頭している現象を指摘し非難することは容易である。
今必要なことは、前章に記した四つの方法が機能していないことを認め正すべき点は正すことである。

 

 

個人としてできること

 

私自身は、少なくとも次の3点は意識しておきたい。

1.
【個別事例を全体化しない/一般化しない】
民衆の意をエスタブリッシュに伝える一つの方法が麻痺していると判断できる場合であっても、既存の方法全体を否定/非難しない。
麻痺を直す方法を試行錯誤するなり、他の方法を試したい。

2.
【大衆主義に陥らない】
「民衆みなが〇〇だと思っているから、△△すべきだ」との主張には容易になびかない。
仮に多くの民衆が〇〇だと思っていることが判明しても、少数者の意も考える。
そして、「当然△△すべきだ」との短絡的論法を拒否する。

3.
【保守を尊重】
変革によって改善されることが予測されたとしても、別の面でマイナスが生じる可能性を探り尊重する。
制度を極端に変えようとせず、現実と折り合いを付けながら改良を目指す。

 

 

 

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