13.大学と規制緩和

今回は「大学の規制緩和」について書きます。

 

『私が一橋大学の教員を辞めた理由〜国立大に翻弄された苦しい日々』と題するブログを拝読しました。

河野真太郎さんのブログです。

 

大綱化について

 

まずは、全ての変化はここから始まったともいえる「大綱化(たいこうか)」について概略を記しておきます。

 

大学は「大学設置基準」という省令によって、文部科学省に縛られています。

大学自体の新規開学・新学部開設のルール・必要な施設・学生定員・教員の人数・カリキュラムなどの決まりが記されています。

 

1991年の「大綱化」とは、これらのルールを緩和し、大学側の裁量を増やすことが本来の目的でした。

例えば、カリキュラムや教員人事において、教養課程と専門課程の垣根を大学が自由に決定することが可能となりました。

 

このことだけを見るならば、大学の自由が広がったことになります。

しかし、実際はどうだったか?

教養課程というリバラルアーツの軽視と教養課程に属する教員組織の解体を招きました。

 

解体工事については、こちらをクリック

 

そして、認証評価機関によって、大学は文部行政から認証評価されることで、独自性が奪われる結果となりました。

 

《機関別認証評価とは》・・・滋賀大学のサイトから引用
国・公・私立大学(短期大学を含む。)及び高等専門学校は、その教育研究水準の向上に資するため、教育研究、組織運営及び施設設備等の総合的な状況に関し、7年以内ごとに、文部科学大臣が認証する評価機関(認証評価機関)の実施する評価を受けることが義務付けられています。(学校教育法第109条第2項及び同法施行令第40条))

 

新自由主義の一環としての大学行政

 

ここ30年間の大学行政の変化を「新自由主義」という概念で見直せば、一本の筋が見えてきます。

「新自由主義」で導入されたのが、競争資金導入、理事長学長によるトップダウン強化、教職員の非正規化。

教職員のやる気が高まり、研究の中長期成果がなされ、ひいては学生の学ぶ意欲が伸びるならば、この変化を検証する意義がありますが、すべてが低下という結果を生んでいます。

文部行政の失敗としか言いようがありません。

 

参考

私が一橋大学の教員を辞めた理由〜国立大に翻弄された苦しい日々(河野 真太郎。2019年6月9日)

 

 

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