思想

目次

1.新自由主義という「思想」

・経済理論と情念

2.ニック・ハノーアー:『超富豪の仲間たち、ご注意を ― 民衆に襲われる日がやってくる TEDSalon NY2014』

・講演内容
・経済学とはコード化と物語化

 

1.新自由主義という「思想」

 

新自由主義とは何からの自由を目指しているのか?
徴税、規制、官僚機構、非関税障壁、国民国家からの自由だ。

また、それは何へ向かう自由を目指しているのか?
市場原理主義、民営化、効率化への自由だ。

新自由主義者は、この自由な経済環境を求めてやまない。
この情熱の根本にある思想とは何なのか?

経済理論と情念

 

「いかなる仕組みを作れば経済規模が大きくなるか」を誰もが当初考えたことと思う。
しかし、その考えの根拠は意外と単純なものである。
自分が育った環境から学んだ欲望と信念が根底に潜んでいる。
この情念は、客観的な視点をも揺るがすほどのエネルギーを持つ。

欲望と信念が姿を経済理論という鎧をまとっているにすぎないのではないかと私には思えてならない。

では、新自由主義を標榜する人々はいかなる情念を持っているのだろうか?
情念はいつの間にか行動規範となり思想となる。
しかし、情念はもちろん、行動規範や思想さえも表に出ることはない。
経済理論としての新自由主義だけが表の顔となる。

「完全な市場原理主義を目指す新自由主義者は今では一人もいない。市場主義は修正されるべきである」。
これは、新自由主義を唱える者たちがしばしば口にする言葉だ。
しかし、その具体的な修正案を彼らから聞くことはない。

結局は、裏に潜む彼らの情念が「新自由主義という経済理論」なる言い訳を作り出しているのではないかと私は考える。

 

2.ニック・ハノーアー:『超富豪の仲間たち、ご注意を ― 民衆に襲われる日がやってくる TEDSalon NY2014』

 

ネットサーフィンをしていると、ニック・ハノーアーの講演を目にすることが多い。

講演内容

 

講演の日本文と動画は、こちらをクリック

この講演の中で目を引いたのは、次の部分だ。

「多くの経済学者の言葉を信じて 皆さんは 経済が客観的な科学だと 思い込んでいるでしょう
私はそうは思いません
私は経済学もまた ツールの1つであり 地位や権力に関する 私たちの社会的 倫理的 選好と偏見を強化し コード化するために 人間が利用するものだと思っています
だからこそ私のような超富豪は 私たちの位置関係が なぜ倫理的に正しく 皆のためになるかについて 他の人々に納得してもらえるような物語を 常に求めてきたわけです」

実に正直な言葉だ。

 

経済学とは、コード化と物語化



ハノーアーは、経済学を「私たちの社会的 倫理的 選好と偏見を強化し コード化するため」のものであると言い切っている。
さらに、「超富豪は 私たちの位置関係が なぜ倫理的に正しく 皆のためになるかについて 他の人々に納得してもらえるような物語を 常に求めてきた」という。
すなわち、経済学は人が創った物語だ。